Opinion; 時間をこえて (Noir)

歴史をふまえ、バランスのとれた時事考察を!

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  • | 2005-05-25 | 
  • モンゴルと中国(II); ジンギスカン論争と中国外交

    モンゴルと中国(I); 内モンゴル人と中国人」の続きです。

    日本人にとっては、元寇があったにもかかわらず、元寇に遭って実際に支配された国の人たちがどう虐げられたか想像しにくいですから、ジンギスカンのイメージって、ヒーローに近いものですよね。モンゴル人にとっては、もっと無謬――ウルトラマン(笑)――のようなものでしょうか。

    でも、例えば、イラクとその周辺はイギリスに植民地化され、実際に敵の中にイギリス軍もいるので、アメリカのイラク侵略が始まったころ「大英帝国の再来!」と言えばフセインに味方する人が増えそうなものですが、フセイン派の人たちは、「ジンギスカンの再来!」と言って自国民の愛国心を高揚させ、周辺国の同情を買おうとしていました。
    ユーラシア大陸ではジンギスカンのイメージがどれほど悪いのか想像できると思います。

    そういうところへ、モンゴルが国を挙げてジンギスカンの美化(イメージの正常化)を始めました。周辺国は怒ります。
    (「自大主義?; 世界、中国、そして日本」で述べたように、中国はジンギスカン論争自体には参加していません。)

    中国外交にとって大きなチャンスが訪れました。

    他の周辺国がモンゴルに対して冷たくなっていくなか、モンゴルに対してより親切になり、経済援助を増やし「我々はあなた達の味方です」みたいな顔をしています。副首相は多分、モンゴルでは相手を喜ばそうとして、「あなたの就任を日本で聞いて、嬉しくてお祝いのために日本での残りの約束を破ってまで飛んできたのよ!」とでも新大統領に話していることでしょう。

    その裏で、中央アジアの国々やロシアに対しては、終戦記念の場で「ソ連のおかげで日本を中国から駆逐できた」と発言したりして、前よりもっと友好的であるかのような顔をしています。

    モンゴルは気付いているのかどうか…。
    実はジンギスカン論争と中国外交によって、現在、モンゴルは敵性国家に包囲されているのです。これではモンゴルの中国に対する経済依存は増える一方です。


    この状況は、残念なことに外務省もマスコミも気付いていないようですが、日本にとってチャンスです。

    まず、中国政府がモンゴルにしている経済援助の3倍ぐらい日本はすぐに出せるでしょうから(実は中国がいくらあげているのか数字を調べないで書いていますw)、モンゴルには「日本からの援助によってあなたの中国に対する経済依存をなくしましょう」と持ちかけます。モンゴルと中国の仲は、しだいに悪くなるでしょう。そして、内モンゴルのモンゴル人と中国人の関係も、より深刻になるでしょう。

    その影響が出始めたころ、中国に対し裏で――中国は裏での話しか信用しませんから――「歴史カードを使わないと約束したら、モンゴルに対する援助を減らしましょう」と持ちかけます。

    結果、モンゴルも中国も、表面は日本の“友好国”っぽいものになります。

    もっとも、‘こういう相手の弱みにつけこむ卑劣な手を日本が良しとするか’と、‘外務省にこういう微妙な外交ができる手腕を持つものがいるのか’という疑問は残りますが…。
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    コメント

    なるほど

    面白い話ですね。
    もともとモンゴルでの日本のイメージは悪くないようですし、モンゴルを日本側に引き寄せるのは意外と簡単かもしれません。
    一方、中国にとってモンゴルが弱点(?)ということであれば、「敵の敵は味方」ということになりますからね。
    もっとも、そんな手腕が外務省にあるかどうか確かに怪しいですが…。(ーー;)

    返事

    >Aromaさん
    ようこそ。コメントありがとうございます。
    そうなんですよ。モンゴル人は私たちに好感を持ってくれています。日本のマスコミや外務省が、大局から物を見ようとしないで―モンゴルを無視して―靖国ばかり気にするのか、不思議なんですよね。

    おそらく

    目先のことに囚われすぎなんじゃないですかね?
    先日のビザ拡大にしたって、ホントによくよく考えてのことなのか?
    甚だ疑問であります。
    あとはなんというか、駆け引きというのに慣れてないんでしょうな。
    もしくは、そういう発想すらないのかも。
    きっと、外務省には戦略シュミレーションゲームとかが得意な人はいないんでしょう。(笑)

    なるほど

    そういう事情もあるんですか。ひとつ知識が増えました。
    中国のまわり、そんな国、多そうですよね。チベット、ネパールあたりでも中国共産派との争いがあるようです。

    返事

    >Aromaさん
    こんにちは、Aromaさん。
    私もAromaさんと同じような印象を外務省に対して持っています。
    たまたま知り合った外務省の人と話しをしていて、ちょっと信じられない経験をしたことがあります。いい機会ですので、次のエントリーで、そのことについて話してみます。

    >masaさん
    こんにちは、masaさん。初めまして。
    ようこそ。コメントありがとうございます。
    モンゴルでは日本は公平だと思われているんですか。勉強になります。日本人のひとりとして嬉しいです。
    内モンゴルは、私が「今の日本の相撲チャンピオンはモンゴル人だよ」と話すと、モンゴル系の人はみんな、くずれるような笑顔になりました。(笑)

    >tokiさん
    こんにちは、tokiさん。初めまして。
    ようこそ。コメントありがとうございます。
    ネパールはよく知りませんが、確かにチベットは、モンゴルに似ていますね。彼等の本国であるチベット自体中国領になってしまっていますけれど、それがなければ、昔からの中国領とチベットの間にある広大な青海が、今の内モンゴルと全く同じ役割を果たしていたでしょうね。

    黄砂

    黄砂を防ぐためにいくつかの国で共同プロジェクトを進めているという話は立ち消えになったのかのぅ。

    返事

    こんばんは、楼主さん。
    そういえば、そういう話ありましたね。私も今どうなっているのか知りません。
    ごめんなさい。

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